アスペルガー症候群の二次障害と心身症

アスペルガー症候群の二次障害の中に心身症があります。

心身症( 精神身体症)とは病名ではなく「身体症状・身体疾患において、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的・機能的障害が認められる病態」のことを言います。

身体症状・疾患などの身体面だけではなく、その背景にある心理社会的な側面や、脳(こころ)と身体の相互作用(心身相関)をベースにして、心身を統合的に考察する心身医学を基礎としています。治療機関は精神科ではなく心療内科になります。

 

心身症の病態

心身症の病態は多様で、例えば心理社会的ストレスは、身体症状を引き起こし増悪させる一因となる一方で、身体症状そのものも社会的不適合などの心理社会的ストレスを引き起こし、心理社会的ストレスと身体症状は相互に影響し合って、悪循環を形成することが多くなります。

 

原因

心身症になりやすい疾患の発症には、それぞれの疾患特有の原因が考えられます。なかでもストレスは、その発症や持続、慢性化の要因のひとつとして考えられていて、生物学的にはストレスが脳に作用して身体の機能や免疫などに影響することによって、関連するとされています。

 

心(脳)

  • 乳児期・小児期→母親との関係(愛情、スキンシップ不足)、家庭の雰囲気(両親の不和、別居)、しつけ(厳しすぎる、放任)
  • 児童期→家庭生活(両親との関係、しつけ)、学業生活(成績不振、いじめ)
  • 思春期・青年期→家庭生活(親からの自立、依存)、社会生活(恋愛、結婚、就職など)
  • 成人期・中年期→家庭生活(結婚、配偶者との関係、子供の出生・育児、親の役割共稼ぎ)、社会生活(出世競争、職場環境、通勤・勤務時間、上司・同僚・部下との関係、転職、倒産、失業)
  • 老年期→家庭生活(子供の独立、配偶者の病気・死亡)、社会生活(退職、経済的不安、生きがい喪失)

 

身体

  • 過換気症候群、一部の不整脈
  • 過敏性腸症候群
  • 神経性腹部緊満症
  • (神経性)過食症
  • 偏頭痛
  • 慢性蕁麻疹
  • 多汗症
  • 湿疹
  • 腰痛症肩こり
  • 更年期障害
  • 月経痛、月経前症候群、
  • 月経異常
  • 不妊症(卵管攣縮、無排卵周期症を含む)
  • 嗅覚障害

 

症状の現れ方

それぞれの疾患に応じた症状が現れます。心身症になりやすい人には、不安や緊張の強い人、あまり感情を表に出さず、自分のことを表現するのが苦手な人(アレキシサイミア: 失感情症)が多いようです。

 

診断

身体症状・身体疾患に対しては、まず各診療科・専門科別の機能的・器質的変化の評価があります。さらに、精神科的な心の問題・広い心理社会的問題などの評価があり、全体として心身症としての治療の対象になるのかどうかが決められます。

多くの身体疾患は、隠れた心理社会的背景が多かれ少なかれ存在します。そうするとすべての身体疾患は心身症ということになりますが、現実的には心理社会的な側面も含んだ統合的なアプローチが臨床の中で効果的だと判断して、初めて「心身症」と診断することが多いです。

評価の際に最も重要なのが「心身相関(脳(こころ)と身体の相互作用)」の把握です。この把握にマジックはなく、問題となっている身体症状がどのような心理社会的背景を持っているのかを、病歴・現象、検査所見と、生活史・行動観察、周囲からの情報の収集などを、時間をかけて、徹底した傾聴を基本として問診・診察を行います。

注意すべき点は、精神科や心療内科“以外”を受診する多くの身体疾患の方においては、心身症としての性格を持っていても、自分の症状に関する「心身相関(脳(こころ)と身体の相互作用)」の認識は薄いことのほうが多いということです。患者の気持ちに配慮した時間をかけた対応が最良です。

一方、「心療内科」を受診する患者の多くは、第一には「こころ」の問題を主訴として受診し、身体の症状はそこに不随する問題として扱われることが多いので、そういった意味では、心療内科を受診する患者は、アレキシサイミア(失感情症)などの特徴を持ったコアな心身症というよりは、神経症的であることが比較的多くなります。

アレキシサイミア(失感情症)とは心身症に特徴的な傾向として、身体症状を呈しやすい傾向がある代わりに、自己の情動・感情を同定し言語化することができず、感情表現がフラットで共感性に欠け、自己の内面に焦点が向かず外界の事物事象へ注意が向きがちで、他人との生き生きとした社会的なつながりに欠けることを言います。

 

治療

心身症の治療法のベースは、身体症状に関しては、各臓器別・診療科別の治療法をまずベースに置く。

さらに、精神科における一般的な治療法(薬物療法、カウンセリング、一般精神療法、行動療法・認知行動療法、精神分析療法、家族療法、芸術療法、作業療法、リクリエーションなど)を併合し、こころの問題・心理社会的側面に対応する。

ここで重要な点は、常に心身の相互作用(心身相関(脳(こころ)と身体の相互作用))にアプローチが必要であるということであり、身体・こころの問題を別個に対応するのみでなく、その両者が効果的に統合される必要があります。

の心身への統合的なアプローチが、心身症に対する特徴的な治療法といえます。

 

アスペ子はどうなのか?

アスペ子の場合は、すべてが当てはまるような気がします。

両親との関係が一番強かったと思います。放任主義の家庭が良いかといったら、それはそれで問題もあるでしょうが、アスペ子の実家の場合は異常なほどのしつけの厳しさでしたので、今まで通った精神科や心療内科では両親のことばかり話していました。成人してもいうくらいですから相当なストレスだったと思います。

今はかかりつけの心療内科の先生と、主人がいてくれるので、両親に対しては無関心でいられるアスペ子です。

もしアスペ子が一人きりだとしたら、今もきっと両親のことを恨んでいたでしょう。恨みの心を持たないでいられることに感謝です。

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Posted by アスペ子