全体像のつかめないアスペルガー症候群

アスペルガー症候群の特徴として、全体像をつかみにくいということが挙げられます。

例えば、目の前に花の咲いた木があったとします。

まず最初に目に映ったものが花だとすると、その花に注目します。その花をよく観察し、次に違う花を観察します。同じ花はないなと思い、葉があることに目がいきます。そして枝があり、幹があり、1本の花の咲く木だと認識します。

健常者の人は、まず全体を見て花の咲いた木だと思うのですが、アスペルガー症候群の人は細部に集中するあまりに全体像をつかめない傾向にあります。

 

目についたものにしか頭に入らない・・・

アスペ子ももちろん同じような特徴があります。それは家の外に出た時に顕著に現れます。

目に付いたものを、片っ端から声に出しています。花、スズメ、セミ、新幹線、パン屋さん、行列など、視覚に入ったものを言います。

帰宅後、あのセミはどこで鳴いていて、なんというセミだったっけかな?パン屋さんがあったけど名前はなんだったっけな?花が咲いていたのはどこら辺だったっけな?というように、一つのことしか覚えていません。

じっくり観察していれば多少は覚えているのでしょうが、歩きながら目にしたものはほとんど覚えていません。一時期、若年性認知症ではないかと思ったほどです。

独身時代の社会人の時に、「これ」が終わったら「あれ」をしてくらいならできましたが、「これ」をしながら「あれもして」というのはとても苦手でした。

「これ」に集中してしまうあまり、「あれ」まで頭にとどまらないのです。そういう時はいつもあたふた焦って行動をし、失敗をしてばかりでした。

上司は慌てなくていいというのですが、その言葉がまたアスペ子にのしかかってきて、余計に迷惑をかけていました。

つまり、仕事の流れの全体像が見えていなく、また把握できていないのです。

まず「これ」に気を取られてしまい、「あれ」を入れることを思い出すのは「これ」が終わってからという感じで、「これ」と「あれ」を一辺に見られなかったのだと思います。

悔しい思いをしたのは、自分と同じくらいの女性先輩事務員の人が、アスペ子が受けたような仕事を上司に頼まれていた姿を見た時です。

その先輩は上司から説明を受け、その後、疑問点を聞いてすぐに仕事に取りかかっていました。アスペ子は同じような仕事なのに、あの人とアスペ子はこんなにも違うと悔しさとともに愕然としました。

なんて自分はダメな人間なんだろうと、うつ状態に真っ逆さまでした。

もちろんその時のアスペ子は自分がアスペルガー症候群とは思っていませんでしたし、当時は発達障害という言葉さえ聞かれませんでしたから、アスペ子はうつ状態になる自分をただ受け入れるしかありませんでした。

 

全体像をつかむことはとても大切だと痛感・・・

全体像をつかめないというのは、生きていく中でとてもマイナスなことだと思います。

特に会社で働く仕事の場面では会社や他の社員の人に迷惑をかけてしまいます。一人で勝手にやってもいけないし、できないことはハッキリとできないと言わないといけないし、全体を見回して自分の仕事を把握しないといけないし、アスペルガー症候群の人にとっては困難なことばかりの場です。

ではどうすれば良いのか。

一番良い方法は、会社がアスペルガー症候群の特徴を知り、適材適所に配属してくれることです。過集中気味になることがあるアスペルガー症候群の人は、自分に合った仕事であれば他を気にせずに続けてやっていくことができます。

でもなかなかそのような会社がないのが現状です。そうなると、自分でなんとか努力するしかないのでしょう。デイサービスやグループで最低限の社会性を学び、その中で全体像とはどんなもの・ことなのかを学ぶことが良いのだとアスペ子は考えています。

最近、アスペ子はアスペルガー症候群なんだと言って何もしないのは良くないのではないかと思っています。

アスペルガー症候群のいろいろな情報が目や耳に入ってくることが多くなり、健常者からみれば自堕落な生き方をしているような過ごし方ではいけないなと思い始めました。

今のアスペ子にできること、今のアスペ子だからできること。きっと何かがあるはずです。思考能力に障害があるのですぐには何も思いつきませんが、やってみたいという気持ちは日々強くなる一方です。

社会とアスペ子の間にある壁はものすごく厚く高いです。でもそれはアスペ子に限らず、同じ障害を持った人も同じです。

以前書いたようにもっとアスペルガー症候群のことが世間に広まれば良いなと思います。壁が薄くなり、低くなれば、乗り越えてみようという勇気も出てくるはずです。

その時のために今アスペ子のできることを探していきたいと思います。

まずは全体を、周囲を見回す。

何か考えなくても、見回すクセをつけていこう。

一つのことに目を向けるのではなく、全体を見るクセをつけていけば、何かを感じる時がやってきそうな気がしているアスペ子です。

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広汎性発達障害とは

Posted by アスペ子